職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

リンダ問題

リンダ問題(Linda problem)は、心理学と認知科学の分野でよく知られる思考実験の一つです。この問題は、アメリカの心理学者であるダニエル・カーネマンアモス・トヴェルスキーによって提案されました。

リンダ問題の背景は以下の通りです。

ある被験者、リンダについての説明が与えられます。その説明には、以下の2つの情報が含まれています。

リンダはフェミニストで、社会正義や不平等に関心を持っている。
リンダは大学時代に哲学の学部を卒業し、現在は非営利団体で働いている。
その後、被験者には以下の2つの選択肢が提示されます。

A. リンダは銀行員である。
B. リンダは銀行員であり、フェミニストの活動家でもある。

リンダ問題の重要なポイントは、選択肢Bが選ばれる傾向が強いことです。実際には、リンダが単に銀行員である可能性よりも、銀行員かつフェミニストの活動家である可能性の方が低いにもかかわらず、多くの人が選択肢Bを選ぶ傾向があります。

この問題は、確率と論理の誤解や、人々の判断に影響を与えるヒューリスティックス(思考の便利な近道)やバイアスの例として知られています。リンダ問題では、リンダの人物像に関する情報と、特定の社会的特徴(フェミニストの活動家)に基づいて、より具体的な選択肢(B)が選ばれる傾向があります。これは、類似性ヒューリスティックスや代表性ヒューリスティックスと呼ばれる思考の傾向に関連しています。

リンダ問題は、人々の意思決定や推論のプロセスについて考える上で興味深い例であり、認知バイアスや思考の限界を示すために使用されることがあります。