職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウス忘却曲線(Ebbinghaus' forgetting curve)は、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus)によって提唱された概念です。彼は、自身の実験に基づいて、学習した情報が時間の経過とともにどのように忘れられるかを示す曲線を提案しました。

エビングハウスは、無意味な音節のリストなど、意味的に関連性のない情報を学習し、その後の時間を経て記憶の再現を試みました。彼は学習後の経過時間と記憶の保持率の関係を測定し、その結果から忘却曲線を導きました。

忘却曲線は、学習後の一定の期間が経過すると急速に記憶が減少し、その後はより緩やかなペースで忘却が進行することを示しています。具体的には、学習直後に最も大きな忘却が起こり、その後は時間が経つにつれて忘却のペースが緩やかになります。

エビングハウスの実験結果によれば、学習後20分経過すると、情報の保持率は約58%まで低下し、1時間後には約44%、1日後には約34%まで低下することが示されました。ただし、忘却の速度や保持率は、学習内容や個人の特性によって異なる可能性があります。

忘却曲線の重要な点は、情報を長期的に記憶するためには、学習後の復習や情報の定着を図る必要があるということです。エビングハウスは、学習後の復習の重要性を強調し、情報を長期的に保持するためには繰り返し学習や定期的な復習が必要であることを示唆しました。

エビングハウス忘却曲線は、学習と記憶のプロセスを理解し、効果的な学習方法や記憶強化の手法を開発する上で重要な基礎となっています。