職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

忘却曲線の法則

忘却曲線の法則(Forgetting curve)は、心理学者ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus)によって提唱された概念です。この法則は、記憶の保持期間と忘却の関係を表す曲線です。

エビングハウスは、自身の実験によって、学習した情報が時間の経過とともにどのように忘れられるかを明らかにしました。彼は、単語リストや無意味な音節リストを学習し、その後の再学習や回想テストによって記憶力の減退を調査しました。

忘却曲線の法則によれば、学習した情報の忘却は、学習後すぐに急速に進み、その後はゆるやかに進行するというパターンが観察されます。最初の数分から数時間で最も大きな忘却が起こり、その後は時間の経過とともに忘却のスピードが緩やかになります。

具体的には、エビングハウスは、学習した情報を1時間後、1日後、2日後などの異なる時間間隔で再学習や回想テストを行いました。その結果、初回の学習から20分後には情報の保持率が約58%まで減少し、1日後には約30%まで減少しました。このように、時間が経つにつれて忘却が進行し、情報の保持率が低下することが示されたのです。

ただし、忘却曲線は一般的な傾向を表しているものの、個人や学習の内容、再学習の有無などによって変動する場合もあります。また、情報の重要性や関連性、繰り返し学習の回数なども忘却に影響を与える要素です。

忘却曲線の法則は、学習や記憶において情報の保持と再復習の重要性を強調し、情報をより効果的に保持するためには定期的な復習や再学習が必要であることを示唆しています。