職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

すっぱいブドウ

すっぱいブドウとは、イソップ物語の一つ「狐と葡萄」から生まれた比喩表現です。この物語では、腹を空かせた狐が木に実った葡萄を諦めた時、「どうせあの葡萄は酸っぱくて美味しくないはずだ」と言って立ち去ります。この話から、手に入れたいものや達成したい目標を諦めた時、それを貶めたり、価値の無いものだと主張する負け惜しみを「すっぱいブドウ」と呼ぶようになりました。

具体的には、以下のような状況で使われます。

恋に落ちた相手に告白できなかったことを悔やみながら、相手を悪く言う
就職試験に落ちた後、その会社はブラック企業だったと言い張る
スポーツの試合で負けた後、相手チームは運が良かったと話す
このように、自分の能力や努力が足りなかったことを認めたくない気持ちから、負け惜しみを言うことを「すっぱいブドウ」と呼びます。

なお、英語では「sour grapes」と言います。

「すっぱいブドウ」は、心理学においても「認知的不協和」という概念で説明されています。認知的不協和とは、自分の持つ認知が矛盾した状態にあることで生じる不快感のことです。例えば、自分の能力が足りないのにもかかわらず、高嶺の花の相手に恋をしてしまった場合、その矛盾を解消するために「相手は自分にふさわしくない人」と認知を書き換えてしまうことがあります。これは、自分の能力の不足を認めたくない気持ちからくる負け惜しみと言えるでしょう。