虚言癖とは
虚言癖とはウソばかり付くクセのことです。
相手を傷つけないためだったり、自分の利益のために誰でも多少のウソは付くものです。
例えば、怒られることを避けるために本当は寝過ごして遅刻したのに交通渋滞で遅れたとウソを付くことはよくあることでしょう。
しかし、ウソを付く頻度や程度がひどい場合は虚言癖と言います。
科学ジャーナルNature Neuroscienceに掲載された研究によると、人はウソを付けばつくほど、ウソを付き続けるようになるそうです。
さらにこの研究では、ウソは小さなウソが大きなウソへとエスカレートしていく「滑り台」のようなものだと表現しています。
病的虚言症と強迫性虚言症
虚言癖には「病的虚言症」と「強迫性虚言症」があります。
それぞれの特徴を紹介します。
病的虚言症の特徴
- 目標指向型であることが多い(注目や賞賛を得るため、同情や助けを得るため、自分の思い通りになるようにウソを付きます)。
- 人を操り、狡猾と思われがちです。
- ほとんど意識せずにウソを付きます。
- 自分が嘘つきであることを決して認めません。
- 信憑性を高めるためにウソと真実を混ぜ合わせることがあります。ウソを作り込むのでウソか本当か見分けることが難しい。
- ウソを付いているのに自信を持っています(例えばウソを付くとき目をそらすのではなくじっと相手を見つめます)。
- 反社会的人格障害や自己愛性人格障害の疑いがあります。
- 虐待など人生で起こったトラウマ的なものを避けるために嘘をつくこともありますし、この症状は遺伝の可能性もあります。
強迫性虚言症の特徴
- 何の利益にもならないのにウソを付くことが多い。
- 日常的にウソを付きます。大小問わず理由もなくウソを付きます。ウソを付くことが習慣になっています。
- ウソを付き通すと気分が高揚します。
- 自分の評判を落とすようなウソを付くこともあります。
- ウソと分かっていてウソを付きます。
- ウソを認めることも多い。
- ウソを付いているかどうか見分けることは比較的やさしい。
- ウソを付くとき目を合わせない、汗をかく、言葉に詰まる、うわごとを言うなど、ウソ付きの典型的な行動を取ります。
- 注意欠陥多動性障害、双極性障害、境界性パーソナリティ障害の疑いがあります。
虚言癖のある人への対処法
行動に注目する
相手の言葉を聞くよりも、その人の行動に注目し、その人の人となりを把握するようにしましょう。
また、ボディランゲージは、相手の言葉よりも真実を明らかにすることができます。
距離を置く
ウソがひどい場合は、距離を置く必要があるかもしれません。
キレない
キレると相手はより防衛的になりさらにウソを誘発する可能性もあります。