真理の錯誤効果(illusory truth effect)とは、ある情報を繰り返し聞くことで、その情報が正しいと信じる傾向が強くなる心理的効果です。
この効果は、1977年に心理学者のハーバート・ローゼンタールが初めて報告しました。ローゼンタールは、被験者たちに、ある言葉を繰り返し聞かせると、その言葉が正しいと信じる傾向が強くなることを実験で示しました。
真理の錯誤効果は、様々な場面で確認されています。例えば、政治家が自分の政策を繰り返し宣伝することで、その政策が正しいと信じ込ませようとしたり、広告で商品名やキャッチコピーを繰り返し使うことで、商品の印象を良くしようとしたりすることがあります。
真理の錯誤効果は、人間の認知バイアスの一種です。認知バイアスとは、人間が情報処理をする際に、無意識に偏りのある判断をしてしまうことです。真理の錯誤効果は、単純接触効果や親しみ効果などの認知バイアスと関連していると考えられています。
真理の錯誤効果を防ぐためには、情報源を多角的に検討し、自分自身で判断することが大切です。また、情報の真偽を判断する際には、論理的な根拠や証拠を重視するようにしましょう。