職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

授かり効果

授かり効果(endowment effect)とは、一度何かを所有すると、それを手に入れる以前に支払ってもいいと思っていた以上の犠牲を払ってでも、その所有している物を手放したがらない現象をさします。

具体的には、例えば、100円で購入したボールペンを、500円で売ると言われたら、多くの人は売ろうとしないのではないでしょうか。これは、100円で購入した時点で、ボールペンの価値を100円と判断していたとしても、一度所有すると、そのボールペンの価値を500円と高く評価してしまうためです。

授かり効果は、行動経済学における重要な概念の一つです。交渉や市場において、合理的な判断を妨げる原因となることが知られています。

授かり効果の原因としては、以下のようなものが考えられます。

損失回避性:損失よりも利益の方が人間は大きな影響を受けやすい。そのため、一度所有したものを失うことによる損失を恐れ、手放したくなくなってしまう。
所有することによる満足感:所有することで、その物に対する愛着や満足感が増す。そのため、その物を手放すことで、その満足感を失うことを惜しむ。
自分の価値観の反映:自分の価値観を反映した物は、その物に対する価値を高く見積もる傾向がある。そのため、一度所有した物は、自分の価値観を反映したものと判断し、その価値を高く評価してしまう。
授かり効果は、日常生活やビジネスにおいて、様々な場面で起こり得る現象です。以下に、授かり効果の例をいくつか挙げます。

自分の車を売るとき、購入時の価格よりも高い価格で売ろうとする。
古い服を捨てるとき、捨てることに抵抗を感じる。
新しい携帯電話を購入した後、古い携帯電話をまだ使っている。
授かり効果を理解することで、交渉や市場において、より合理的な判断を下すことができるでしょう。