職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

顔面フィードバック仮説

顔面フィードバック仮説とは、「表情がフィードバックされて、その表情の感情を引き起こす」という仮説です。

1880年代中ごろ、アメリカ合衆国の心理学者ウィリアム・ジェームズとデンマークの心理学者カール・ランゲが別々に、人は「刺激を受けて情動が変化し、それに伴って身体的変化が起きる」のではなく、「刺激を受けて身体的変化が起き、それに伴って情動が変化する」のではないかという説を唱えました。

この説は、ジェームズ=ランゲ説と呼ばれ、顔面フィードバック仮説の基盤となったものです。

顔面フィードバック仮説を唱えたのは、心理学者のシルヴァン・トムキンズです。トムキンズは、顔の表情筋を動かすことで、その表情の感情を体験することができると主張しました。

例えば、笑顔を浮かべることで、人は楽しい気分になることができます。これは、笑顔を浮かべることで、脳内のドーパミンセロトニンなどの快楽物質が分泌され、楽しい気分を引き起こされるためと考えられています。

顔面フィードバック仮説は、近年の研究によって、その有効性が示されています。例えば、1988年にフリッツ・ストラック、レオナルド・マーティン、ザビーネ・ステッペルらが行った実験では、笑顔を浮かべるように指示された被験者は、そうでない被験者よりも幸せを感じたという結果が得られました。

顔面フィードバック仮説は、感情をコントロールする手法として、応用されています。例えば、怒りや不安などのネガティブな感情を抑えるために、笑顔を浮かべる方法が用いられています。