職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

セルフ・サービング・バイアス

セルフ・サービング・バイアス(self-serving bias)は、心理学的な概念であり、人々が自分自身に関する成功や良い結果を内部要因に帰因し、逆に失敗や悪い結果を外部要因に帰因する傾向を指します。つまり、個人的な成功には自己の能力や努力が関与していると信じる一方、失敗には状況や他者の行動など外部の要素を責任にする傾向があるということです。

セルフ・サービング・バイアスは、自己保護的な認知の一形態であり、自己肯定感を高め、自尊心を保つために利用されることがあります。人々は自分自身に対して肯定的な評価をすることで、自己価値感を維持しようとする傾向があります。そのため、成功や好ましい結果を自分の能力や努力に帰因することで、自己イメージを高めようとするのです。

一方で、失敗や困難な状況に直面した場合には、外部要因や他人の行動を原因として挙げることで、自己を守ろうとする傾向があります。これにより、自己責任を軽減し、自己イメージを保つことができると考えられています。

セルフ・サービング・バイアスは、個人の認知バイアスの一つとして、日常の判断や行動に影響を与える可能性があります。このバイアスが働くことで、成功や失敗に対する客観的な評価や反省がゆがめられることがあります。また、集団や組織の中でも同様のバイアスが働くことで、功績や失敗が個人の能力や責任によって過度に解釈されることがあります。

セルフ・サービング・バイアスを理解することで、自己評価や他者との関係、意思決定などにおいて客観性を保ち、バランスの取れた判断をすることが重要です。