職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

暗黙知

暗黙知(Implicit Knowledge)は、個人が持つ知識やスキルのうち、意識化されずに行われる、言語化されにくい、または説明しにくい形態の知識を指します。暗黙知は個人の経験、直感、感覚、習慣、感情、身体的な技能など、さまざまな要素から成り立っています。

暗黙知は、言葉や論理的な形で明示的に表現されることが難しいため、他人に直接伝えることが困難な場合があります。例えば、自転車に乗ることや泳ぐこと、絵を描くことなどは、暗黙知の一例です。これらの活動は実際に経験しながら身につけるものであり、説明するだけでは完全には理解されません。

また、経験に基づく専門知識や職業上のスキルも、暗黙知の一部とされます。医師の診断能力やプログラマの問題解決能力などは、経験と洞察に裏打ちされた暗黙知によって発揮されます。

暗黙知は明示的な知識(Explicit Knowledge)とは対比される概念です。明示的な知識は言語や記号で表現できる知識であり、書籍や文書、データベースなどに記録されることが一般的です。

重要な点として、暗黙知は個人にとっては当たり前のものであり、自覚されずに行動や判断に反映されます。しかし、他人との共有や伝達の際には明示化が必要となる場合があります。そのため、組織やチームにおいては、暗黙知を共有し明示化するためのコミュニケーションや知識管理の取り組みが重要とされています。