心理学における情動とは、外界からの刺激や内的な思考・経験によって生じる、一過性の心の状態です。喜び、悲しみ、怒り、恐怖、不安などの基本的な情動から、愛情、幸福、誇り、罪悪感、嫉妬などの複雑な情動まで、さまざまな種類があります。
情動は、主観的な感情、身体的・生理学的反応、行動の変化などの要素によって構成されます。主観的な感情は、情動を特徴づける意識的な経験です。身体的・生理学的反応は、情動によって引き起こされる心拍数の上昇、血圧の上昇、汗の分泌などの変化です。行動の変化は、情動によって引き起こされる表情の変化、声の変化、行動の変化です。
情動は、人間の生活において重要な役割を果たしています。情動は、私たちの行動を動機づけ、私たちの判断や意思決定に影響を与えます。また、情動は、私たちの社会生活において、他の人との関係を築いたり、コミュニケーションをとったりするのに役立ちます。
心理学において、情動の研究は、さまざまな角度から行われてきました。情動の発生、情動の表出、情動の機能などについて、さまざまな理論が提唱されています。近年では、脳科学の進歩によって、情動の脳内基盤についても、多くの研究が行われています。
情動の具体例としては、以下のようなものがあげられます。
喜び:幸せ、嬉しさ、楽しい、満足感など
悲しみ:悲しい、寂しい、辛い、喪失感など
怒り:腹が立つ、イライラする、憎しみ、恨みなど
恐怖:怖い、不安、恐れる、戦慄するなど
不安:心配、気が気でない、落ち着かない、焦燥感など
これらの情動は、それぞれに特徴的な主観的な感情、身体的・生理学的反応、行動の変化を伴います。