職場で使える心理学

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(心理学における)機能主義

心理学における機能主義とは、意識や心理現象をその持つ機能や役割に注目して理解しようとする立場です。19世紀末から20世紀初頭にかけて、アメリカの心理学者であるウィリアム・ジェームズやジョージ・ミードらによって提唱されました。

機能主義は、当時主流であった構成主義心理学(意識を構成する要素を分析して理解しようとする立場)に対する反発として生まれました。構成主義心理学は、意識を構成する要素を抽象的に分析することに重点を置いたため、意識の機能や役割が十分に理解されないという問題がありました。

機能主義は、意識や心理現象をその持つ機能や役割に注目することで、意識の生物学的意義や適応的役割を明らかにしようとしました。例えば、ジェームズは、意識を「生存の道具」であると捉え、意識は環境に対応して行動するための役割を果たしていると主張しました。

機能主義は、心理学の発展に大きな影響を与えました。機能主義の考え方は、認知心理学や行動主義など、その後の心理学のさまざまな学派に受け継がれています。

機能主義の特徴は、以下のとおりです。

意識や心理現象をその持つ機能や役割に注目する。
意識を生物学的意義や適応的役割を果たすものとして捉える。
意識を内容的に分析するのではなく、過程的に分析する。
実証主義に基づく科学的方法を重視する。
機能主義の批判としては、以下のようなものが挙げられます。

意識の機能や役割を説明する際に、主観的な経験を軽視する傾向がある。
意識の多様性を十分に説明できない可能性がある。
社会や文化の役割を軽視する傾向がある。
機能主義は、心理学の発展に大きな貢献をした一方で、こうした批判も受けています。しかし、機能主義の考え方は、現代の心理学においてもなお重要な役割を果たしています。