職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

システム1

システム1とは、人間の脳の思考モードの一つであり、直感的で速い思考モードです。自動的に高速で働き、考えるのにほぼ努力が不要です。自分の意識でコントロールしている感覚は一切ありません。印象をすぐ感じたり、発想や連想することが得意です。一貫性や辻褄が合うことを好みます。

例えば、道を歩いていて、赤い信号を見た瞬間に「止まるべきだ」と判断するのは、システム1の働きです。この判断には、信号の色や形、自分が歩いている方向など、さまざまな情報を瞬時に処理して行われます。

システム1は、日常生活においては非常に役立つ思考モードです。多くの場合、システム1の判断は正しいものです。しかし、システム1には誤りやすい面もあります。例えば、学校のガラスが割られていたら、典型的なイメージから、不良の生徒のしわざであると予測することがあります。しかし、確率的には生徒の一部である不良の生徒は、生徒全体に比べると数が少ないため、確率は低くなるはずです。しかし、システム1は、一貫性や辻褄が合うことを好むため、誤った判断をしてしまうことがあります。

システム2とは、システム1とは対照的に、遅くて意識的に努力しないと働かない、熟慮的な思考プロセスを担当する思考モードです。論理的な思考や、複雑な問題の解決に役立ちます。

システム1とシステム2は、常に連携して働いています。システム1がまず、情報を処理して、大まかな判断をします。そして、システム2がその判断を検証し、必要に応じて修正します。

例えば、道を歩いていて、赤い信号を見た瞬間に「止まるべきだ」と判断するのは、システム1の働きです。しかし、システム2が「でも、この信号は故障しているかもしれない」と判断した場合、システム1の判断を修正して「赤い信号でも、確認してから渡ろう」という判断を下すことになります。

システム1とシステム2をうまく活用することで、より正確な判断を下すことができるでしょう。