逆説志向（Paradoxical intention）は、心理療法の一形態であり、特定の問題や症状を解消するために、逆の意図や行動を意図的に取るアプローチです。この手法は、問題や症状が過度に強調されたり恐れられたりすることによって、その問題が悪化することを防ぐことを目的としています。
逆説志向は、一般的に以下のようなシナリオで使用されます。
不安や恐怖の症状: 例えば、パニック発作や不安障害などの症状に対して、患者は逆説的にその症状を積極的に受け入れ、意図的にそれに対抗する行動を取ります。これにより、症状への恐怖や注目が減少し、その症状が自然に解消される可能性があります。
睡眠障害: 睡眠に関する問題（不眠症など）に対して、患者は逆説的に十分な睡眠を得ることを意図せず、むしろ眠りたくても寝ようとしないことを意図的に行います。これにより、睡眠に対する不安やプレッシャーが軽減され、自然な眠りへの移行が促される可能性があります。
逆説志向の理論的な根拠は、問題や症状が過度に強調されることによって、その問題が増幅される心理的メカニズムに基づいています。逆に、問題や症状への関心や恐怖を減らすことによって、その問題が軽減されるとされています。
逆説志向は、心理療法やカウンセリングにおいて使用されるテクニックの一つですが、効果は個人によって異なる場合があります。専門的な指導のもとで実施されることが望ましいです。
