職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

アンダーマイニング効果

アンダーマイニング効果(Undermining Effect)とは、一般的には報酬や報償などの外部要因が個人の内発的な動機や関与を弱める現象を指します。つまり、人々が本来自発的に行うべき活動に対して報酬や報償が与えられると、その活動への内在的な動機や関与が低下する傾向があるという現象です。

アンダーマイニング効果の典型的な例は、子供たちに対して報酬を与えて読書や学習を促す場合です。報酬が与えられると、一部の子供たちは報酬を得るためだけに読書をするようになり、本来の内発的な興味や学習への意欲が低下する場合があります。

この現象は心理学者エドワード・デシによって実験的に研究され、デシの自己決定理論(Self-Determination Theory)と関連しています。自己決定理論では、人々が内発的に意欲づけられるためには、関与、自己決定、成長の感覚が重要であり、外部からの報酬がこの内発的な動機を弱める可能性があるとされています。

ただし、アンダーマイニング効果はすべての場合に当てはまるわけではありません。報酬が適切に与えられ、内発的な動機をサポートするように設計された場合には、アンダーマイニング効果は回避されることがあります。また、一部の人々にとっては外部報酬がむしろ内発的な動機を強化することもあります。