共依存

共依存（Codependency）は、人間関係や家族の動態に関連する心理的な概念です。共依存は、一方の人が他方の人の問題やニーズに過度に依存し、自己の価値や幸福を他者の承認や関与に依存する傾向を指します。

共依存の特徴として以下のような要素があります：

過度な他者への依存：共依存の人は、他者の感情や行動に過度に依存し、自己価値や自己肯定感を他者の評価や承認に基づいて捉えがちです。他者のニーズや要求を優先し、自己のニーズや欲求を犠牲にすることがあります。
自己犠牲的な行動：共依存の人は、他者の問題や困難に対して過度に関与し、自己を犠牲にして助けようとします。自己の欲求や境界を無視し、他者の責任や問題を背負い込むことがあります。
対人関係の偏り：共依存の人は、バランスの取れた対人関係を築くことが難しくなる傾向があります。一方的な支配と従属のパターンが生まれ、相手に対して過度な配慮やコントロールを行うことがあります。
自己否定と自己放棄：共依存の人は、自己の感情や意見を抑圧し、他者に合わせることが多いです。自己を無視し、自己否定や自己放棄のパターンが現れることがあります。
共依存は、通常、家族やパートナーシップ、友情などの密接な関係において発生しやすいと考えられています。過去のトラウマや家族の問題、依存症の存在などが共依存のリスク要因となることがあります。

共依存は、健康な人間関係や心理的な幸福を妨げる可能性があるため、自己認識や境界の設定、自己ケア、専門家の支援などを通じた個別の取り組みが重要です。