ネームレター効果（Name-Letter Effect）は、個人の自己評価や好みに関連する心理現象を指します。この効果によれば、人々は自分自身の名前やイニシャルと関連した文字や単語に対して、より肯定的な評価や好意を抱く傾向があるとされています。
ネームレター効果は、心理学者のジェームズ・V・マクナリー（James V. McConnell）によって初めて報告されました。彼の研究では、被験者が自分の名前のイニシャルをもつ文字や単語を選ぶ傾向が見られたと報告されました。
この効果は、以下のような要因によって引き起こされると考えられています。
自己関連性：自分自身の名前やイニシャルは、個人のアイデンティティや自己概念と密接に関連しています。そのため、自己関連性の高い刺激に対しては、より肯定的な評価や好意を抱く傾向があります。
認知の親和性：自分の名前やイニシャルが含まれる文字や単語は、視覚的に認識しやすく、認知的な親和性が高いと考えられます。このため、そのような刺激に対しては、より好意的な反応が起こりやすいとされています。
ネームレター効果は、個人の自己評価や好みの形成に影響を与える要素として考えられています。例えば、自分の名前を含む製品やサービスに対しては、他の選択肢よりも肯定的な態度を持ちやすい傾向があると言われています。また、人々は自分の名前が他人に呼ばれることや言及されることに対しても、より好意的に反応することが観察されています。
ただし、ネームレター効果は個人差が存在し、すべての人に一様に当てはまるわけではありません。また、この効果が特定の文化や環境において異なる可能性もあります。さらに、他の要因や情報が介在する場合には、ネームレター効果の影響は相対的に弱まることもあります。
