バックトラッキング法(Backtracking)は、問題の解を見つけるための探索アルゴリズムの一種です。主に組み合わせ最適化や制約充足問題に使用されます。
バックトラッキング法は、解候補を一つずつ生成し、その解候補が条件を満たすかどうかを確認しながら探索を進めます。もし解候補が条件を満たさない場合、それ以上その解候補を探索する必要はなく、戻って別の解候補を試すことができます。この戻る(バックトラックする)操作がアルゴリズムの名前の由来となっています。
バックトラッキング法の典型的な手順は以下の通りです:
問題の定義:解を求める問題を明確に定義します。例えば、クイーンの配置問題やナップサック問題などです。
解の表現:解を適切に表現します。一般的には、解を値の集合や配列、グラフなどのデータ構造で表現します。
条件の確認:解候補が問題の制約条件を満たしているかどうかを確認します。もし制約条件を満たさない場合、その解候補は不適切なので、バックトラックして別の解候補を試します。
解の発見:解候補が条件を満たす場合、最終的な解が見つかったことになります。この時点でアルゴリズムは終了し、解を出力します。もし解が見つからない場合、バックトラックして別の解候補を試します。
バックトラッキング法は、全ての解候補を網羅的に探索するわけではなく、効率的に解を見つけるための枝刈りを行います。制約を満たさない解候補は早期に排除し、探索空間を削減することで、計算量を削減します。
ただし、バックトラッキング法は探索空間の大きさに対して指数的な計算時間を要する場合があります。したがって、探索空間が非常に広い場合や制約条件が複雑な場合には、より高度な最適化手法や探索手法が必要になる場合もあります。