職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

分離脳実験

分離脳実験(ぶんりのうじっけん、Split-brain experiment)は、脳の左右の半球を物理的に分離し、それぞれの半球の機能を研究するための実験手法です。この実験は、1960年代にアメリカの神経心理学者ロジャー・スペリー(Roger Sperry)と彼のチームによって行われました。

通常、脳の左半球は右半身の運動制御や言語処理などを担当し、右半球は左半身の運動制御や空間認識などを担当しています。しかし、脳の左右の半球は神経線維束でつながっており、情報のやり取りが行われています。

分離脳実験では、てんかんの治療法として行われる手術の一環として、脳の大脳体(脳の中心部をつなぐ神経線維束)を切断することによって左右の半球を分離します。手術後、患者は左右の視野が分かれ、情報のやり取りが制限される状態となります。

この状態で行われる実験では、例えば、左半球に何かの情報(たとえば単語や画像)を提示すると、患者はその情報を口頭で言語化することができます。しかし、右半球に同じ情報を提示すると、患者は言葉で表現することができません。ただし、右半球はまだ情報を受け取っており、非言語的な反応(たとえば手で物を指し示すなど)を示すことがあります。

分離脳実験は、脳の左右半球間の異なる機能や情報処理の仕組みを理解するための貴重な手法となりました。特に言語や意識に関する研究において重要な成果をもたらしました。