ガウゼの法則(Gause's law)は、生態学において、競争によって同じ資源を必要とする2つの生物種が同じ生息地に共存することは難しいという法則です。この法則は、「競合排除の原理」としても知られています。
ガウゼの法則は、ロシアの生態学者ゲオルギー・ガウゼ(Georgii Gause)によって1934年に提唱されました。彼は、実験的にパルメットアメーバ(Paramecium aurelia)とパルメットアメーバ(Paramecium caudatum)という2つのアメーバ種を混合して培養した結果、競争によって片方の種が他方を排除することを観察しました。
ガウゼの法則は、資源に制約のある環境での競争に焦点を当てています。同じ資源を必要とする2つの生物種が競合すると、資源の使用効率が高い種が優勢になり、他の種は資源不足や競合による圧力によって生存できなくなるとされています。
ただし、自然界ではガウゼの法則に完全に従わない例も存在します。例えば、微妙な資源分割や時間や空間の分割により、競合種が共存することができる場合もあります。また、進化の過程で種が異なる資源利用戦略を獲得し、共存を可能にすることもあります。