大数の法則(だいすうのほうそく、Law of Large Numbers)は、統計学の基本的な法則の1つです。この法則は、独立な確率変数からなる大量のサンプルがある場合に、その平均が真の値に収束する傾向があることを述べています。
具体的には、確率変数の平均値がその期待値に近づくという性質を示しています。たとえば、コインを何回も投げる実験を考えると、大数の法則によれば、試行回数が増えるにつれて、表が出る確率の平均は0.5に近づくと予想されます。
大数の法則には2つの主要なバージョンがあります。弱法則と強法則です。
弱法則(Weak Law of Large Numbers)は、サンプルサイズが増えるにつれて平均値が真の平均に近づくことを示しています。つまり、平均値のばらつきは小さくなりますが、確率的な要素が残る可能性があります。
強法則(Strong Law of Large Numbers)は、確率1で平均値が真の平均に収束することを示しています。つまり、確率的な要素が完全に消えて、確実に平均値が真の値に一致することが保証されます。
大数の法則は統計学や確率論の基礎となる重要な原理であり、サンプルサイズが大きい場合には安定した推定や予測を行うための理論的な根拠となります。