心理学では、ペルソナとは、人がさまざまな社会的状況で他人に見せる社会的な仮面またはファサードのことを指します。ペルソナには、性格、行動、態度、価値観などの要素が含まれます。
ペルソナという概念は、スイスの心理学者カール・ユングによって初めて紹介されました。ユングは、誰もが他人と接する際に使用するペルソナを持っていると考えました。ユングによると、ペルソナは、個人が社会で効果的に機能するために必要な社会的構成要素ですが、同時に、本当の自分から切り離された感覚をもたらす可能性があるといいます。
またユングは、ペルソナが過度に硬直化、膨張することで、真正でない感覚や自己認識の欠如につながる可能性もあると考えています。場合によっては、ペルソナと同一視するあまり、自分の本当の感情、欲求、動機がわからなくなることもあります。
心理療法では、ペルソナの概念は、個人が自己認識を深め、自分自身の行動や人間関係を理解するための方法として探求されることがあります。状況に応じて使い分けるペルソナを認識することで、自分の困難の原因となっている行動や思考のパターンを特定し、より信頼できる充実した他者との関わり方を発展させることができます。
