傍観者効果（ぼうかんしゃこうか）とは、社会心理学的な現象であり、人々が他人の危機や困難な状況において、積極的な介入や助けを提供することを躊躇する傾向を指します。傍観者効果は、1964年にアメリカの社会心理学者であるジョン・ダーシーとビビアン・ラテーネによって初めて研究され、報告されました。
傍観者効果は、主に以下の2つの要素によって引き起こされます。
社会的担当の分散（Diffusion of Responsibility）: 状況に多くの人々がいる場合、個人は自分自身が責任を負う必要があるという感覚を減少させ、他の人々が対応するだろうという期待が生まれます。つまり、個人は自分一人で問題を解決する必要がないと考えるため、助けを提供しない傾向があります。
社会的評価の不確実性（Social Evaluation Uncertainty）: 周囲の人々からの評価や判断を受けることに対する不安や恐怖が、助けを提供する意欲を抑制する場合があります。個人は、他の人々がどのように反応するかを予測できず、自分の行動が批判や非難を受ける可能性があると感じることから、積極的な介入を避ける傾向があります。
傍観者効果を軽減するためには、意識的な努力が必要です。具体的な方法としては、個人が状況に対して責任を持ち、行動する意識を持つことや、他人への共感を高めること、具体的な行動計画を立てることなどが挙げられます。また、他の人々が助けを必要としている場合には、直接的に助けを求めることも重要です。
