ザイアンスの法則（Zajonc's law）は、社会心理学者ロバート・ザイアンス（Robert Zajonc）によって提唱された法則です。この法則は、刺激の熟慮された認知的処理なしに、刺激の好みや評価が形成されることを指します。簡単に言えば、人々は無意識のレベルで刺激を評価し、それに基づいて感情や態度を形成するという法則です。
ザイアンスの法則によれば、人々は何らかの刺激（例：視覚的、聴覚的、嗅覚的な刺激）に曝されると、その刺激が好ましいか嫌悪感を抱くかといった評価が即座に行われます。この評価は主に非認知的で、意識的な思考や分析的な判断によらずに形成されます。
ザイアンスの法則は、反射的な反応や感情の形成において重要な役割を果たすとされています。たとえば、無意識のレベルで他人の表情や身振りを評価し、それに基づいて好意や嫌悪感を抱くことがあります。また、熟慮された理論や論理的な思考に頼らずに、特定の商品やブランドに対する好みや評価を形成する場合にも影響を与えるとされています。
ザイアンスの法則は、感情や態度の形成に関連する他の理論やモデルとも関連しています。たとえば、二要因理論（two-factor theory）や心理的即応性（affective priming）といった概念と関連付けられることがあります。
ただし、ザイアンスの法則はすべての場合に当てはまるわけではなく、刺激の種類や個人の特性などによって影響が異なることもあります。
