自己関連付け効果（self-referencing effect）は、情報処理と記憶に関する心理学の概念です。この効果によれば、自分自身に関連する情報は、他の情報と比較して記憶や情報の処理において優位性を持つとされています。
自己関連付け効果は、1977年に心理学者のRogersらによって提案されました。彼らの研究では、被験者にさまざまな単語リストを提示し、それぞれの単語に関連する質問をする実験が行われました。例えば、単語「本」に対して「あなたはこの本に興味を持ちますか？」という質問をすると、この情報は自己関連付けが行われたと言えます。そして、自己関連付けが行われた単語は、他の単語よりもより良い記憶を示しました。
この効果は、自己と関連する情報が自己の認識やアイデンティティの構築に重要な役割を果たしていることを反映しています。自己関連付けは、情報の処理を深化させ、注意を引きつけ、記憶を強化する効果があります。また、自己関連付けは、学習や情報の記憶の効率を向上させる上でも有用です。
具体的な例としては、自己関連付けを利用した学習法があります。自己関連付けを促す質問や活動を通じて、学習者が教材や情報と自分自身を結びつけることで、より深い理解や長期的な記憶の形成が期待されます。
ただし、自己関連付け効果はすべての人に一様に適用されるわけではなく、個人差が存在する可能性があります。また、情報の関連性や個人の関心によっても効果は変化する場合があります。
