職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

やり取り分析

やり取り分析とは、交流分析の技法のひとつで、人と人とのコミュニケーションを分析する方法です。交流分析では、人間の自我状態を「親」「大人」「子供」の3つに分類します。やり取り分析では、この3つの自我状態が、コミュニケーションにおいてどのように作用しているのかを分析します。

やり取り分析では、コミュニケーションを「刺激」と「反応」の2つの要素に分けて考えます。刺激とは、ある人が他者に送るメッセージです。反応とは、刺激を受けた人が他者に返すメッセージです。

やり取り分析では、刺激と反応の組み合わせによって、3つの種類のやり取りがあるとされています。

相補的交流:刺激と反応の自我状態が同じ方向に向いているやり取りです。例えば、親の刺激に対して親の反応があったり、子供の刺激に対して子供の反応があったりします。相補的交流は、円滑なコミュニケーションにつながりやすいとされています。
交差的交流:刺激と反応の自我状態が異なる方向に向いているやり取りです。例えば、親の刺激に対して子供の反応があったり、子供の刺激に対して親の反応があったりします。交差的交流は、コミュニケーションの行き詰まりや対立につながりやすいとされています。
裏面交流:刺激と反応の自我状態が同一の方向に向いているように見えながら、実は異なる方向に向いているやり取りです。例えば、親の刺激に対して大人のように返答しているように見えるけれど、実は子供の自我状態から発せられたメッセージだったりします。裏面交流は、コミュニケーションの混乱や誤解につながりやすいとされています。
やり取り分析は、コミュニケーションの理解や改善に役立つ技法です。例えば、相補的交流がうまく機能していない場合には、コミュニケーションの円滑化のために、刺激や反応の自我状態を調整していくことができます。また、交差的交流や裏面交流が頻発している場合には、コミュニケーションの行き詰まりや対立の原因を理解して、対処していくことができます。

やり取り分析は、カウンセリングやセミナーなどで活用されています。また、ビジネスや教育の現場でも、コミュニケーションの改善や人間関係の構築に役立っています。