気分一致効果（Mood congruence effect）とは、個人の気分や感情が、その人の思考や記憶の内容に影響を与える現象を指します。具体的には、特定の気分や感情を持っているときには、その気分や感情に関連する情報や思考がより容易に思い浮かび、記憶される傾向があるとされています。
例えば、陽気な気分にあるときには、楽しい出来事やポジティブな情報をより容易に思い出しやすくなります。同様に、悲しい気分や落ち込んだ状態にあるときには、悲しい出来事やネガティブな情報がより強く思い浮かびやすくなると言われています。
気分一致効果は、情報の処理や記憶のプロセスにおいて、気分や感情が認知のフィルターとして機能することによって生じると考えられています。この効果は、個人の心理的な状態が情報処理や思考のバイアスを引き起こす一つの要因となることを示しています。
気分一致効果は、心理学や認知科学の研究において広く認められていますが、個人差や状況によって異なる場合もあります。また、気分や感情が思考や行動に与える影響は複雑であり、他の要素や要因と相互に作用することもあります。
