吊り橋効果（Suspension Bridge Effect）は、ロマンチックな状況や高い興奮状態が、人々の恋愛感情や魅力評価に対して増強効果をもたらす現象を指します。この効果は、心理学者ダリル・バーマン（Daryl Bem）によって提唱されました。
吊り橋効果の名前は、バーマンが行った実験で使用された吊り橋に由来しています。実験では、男性の参加者に、低い吊り橋と高い吊り橋を渡るように指示されました。吊り橋を渡る際、男性は魅力的な女性に出会い、彼女からアンケート用紙を渡されました。その後、参加者は彼女に電話をするように求められました。
実験の結果、高い吊り橋を渡った男性は、低い吊り橋を渡った男性よりも女性に対してよりポジティブな感情を抱き、彼女に電話をする意欲が高かったことが示されました。バーマンは、高所からの興奮状態が、恋愛感情や魅力評価にプラスの影響を与えることを説明するために「吊り橋効果」という用語を提案しました。
吊り橋効果の考え方は、興奮状態が感情的な刺激や関係形成に影響を与えることを示唆しています。高揚感や緊張感がある状況では、人々はより強い感情を経験し、他の人に対する魅力や関心が増加する可能性があります。この効果は、デートや新しい出会いの場など、ロマンチックな状況において特に顕著に現れると考えられています。
