職場で使える心理学

もしあなたが職場の人間関係で悩んでいるのなら心理学の知識を使って解決できるかもしれません。

エンダウド・プログレス効果

エンダウド・プログレス効果(Endowed Progress Effect)は、人々の行動に対する心理的な影響を示す現象です。この効果は、人々に初期の進捗や進行状況を与えることで、彼らの行動や取り組みを促進することができるというものです。

エンダウド・プログレス効果は、心理学者ジョセフ・C・ノリス(Joseph C. Nunes)とザカリー・イヴリン(Xavier Dreze)によって2006年に提唱されました。彼らの研究では、顧客がスタンプカードを使用して商品を購入する際に、最初にスタンプカードに数個のスタンプを追加すると、購買率が増加することが示されました。

この効果の理論的な説明は、人々が初期の進捗や進行状況を得ることで、自身の目標に対する関与や取り組みを高めるという心理的なプロセスに基づいています。初期の進捗は、個人に達成感や進歩感を与え、目標に対するモチベーションを高めます。また、初期の進捗に対する投資や努力があるため、人々はそれを無駄にしたくないという心理的な負荷も働きます。

エンダウド・プログレス効果は、さまざまな分野や実践に応用されています。例えば、顧客忠誠度の向上、目標設定や行動変容の促進、ゲーミフィケーション(ゲーム要素の導入)による参加者の増加などに利用されています。企業や組織では、エンダウド・プログレス効果を活用して、ユーザーエンゲージメントやパフォーマンス向上を図ることができる可能性があります。

ただし、エンダウド・プログレス効果は個人の心理に働きかける効果であるため、倫理的な観点やユーザーのプライバシーに留意しながら活用する必要があります。